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zoom RSS 紙もチョコレイトと同じで。

<<   作成日時 : 2007/04/16 16:18   >>

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 土曜日、竹尾の ペーパーショウ2007 に行って参りました。
 新製品を見られることと、素敵な素敵なアートショウ、みたいなところが好きで大体毎年行くのですが、今年は会場がスパイラルじゃなくて丸ビルだってことで・・・「(遠いから)やめよう・・・」とか思っていたところ〜〜最終日に心惹かれるトークショーがありましたので、結局は喜んで行くことに。
 後藤繁雄さんと、松田哲夫さんの対談ですよーー。きゃーー!行きたいに決まってるじゃないーー。
 「紙のコミュニケーションの可能性」とかいうのがお題でしたが、二人の有名編集者の「フリー(しかもアート仕事多し)」と「企業の一員(しかも管理職)」という立場の違いからくる、根本的なものの考え方が好対照で、聞いていておもしろかったです。
 紙について、私自身もここ一年くらいで随分見方が変ってきていて、見本を見て触るだけならば、紙クロスとか地模様やエンボスがあるやつとか和紙っぽいやつとか鏡面とか透明系はそりゃすんごーく素敵なんだけれども、果たして流通に乗せるとどうかというとーーなにかと素敵だけではすまない問題が露呈してくるので・・・そこでウーン・・・とか〜〜〜。ねー。
 えーまず最初に「高い紙を使うと定価が高くなる」という結果が容易に想像されるかと思うのですが、原価が高いとまず企画が社内で通りませんので、せっかくの本が「高いから売れない」とかいう以前に、日の目を見ないワケで・・・問題外なのよねーーーそれは。
 (そういう事情を憤懣やるかたなく思っていた時期もありますが・・・つか、今も折にふれ「こんな金金ゆってる会社!いつか自分の首絞めて潰れるワ!」と思ってはいますが・・・他社も同じような感じらしいし、本に限らず他業種のメーカーの人もそれぞれ会社を「うちはケチ!!」とかいうので「会社と名のつくところはすべからくケチなのかも・・・」と思うようになった・・・くらいの感じで・・・)
 それよりもですね、<目を引くような紙は、印刷や製本に向かない>ということが多々あってーー。ここがねーーーここが重大で〜〜。
 クセのある紙は、大変魅力的だけれども、その分、機械にかかりづらかったり乾きづらかったり在庫がないために重版対応ができなかったり、輸入紙の場合いつの間にか代理店が取り扱わなくなることも多いし、店頭に並んでいる間に焼けたり反ってきたり破れやすいものも多く(誰も買わない)、人と同じで「際立った個性てのがどこでも通用するわけじゃない」みたいなことが頻繁に起こるのです。
 商品だからね。会社で作って売るものだから、スムーズに流通に乗らないとどうしようもない。使いたきゃシャレた紙使えばいい、金ならなんとかするからよ!じゃ通用しないんだなーーというのを私は現職で学んだ気がする。すごく。
 そこらへんを松田さんは強く主張しておられて、本は結局マスプロダクトだということを忘れてはダメで(芸術作品とは違う。あーー中身のことではないですよ。形としての「本」、です)紙は、量産に堪えうること、間違いなく製本できること、そしてコストを抑えられて束(背幅のことです)が出せて、企画が通る原価を成り立たせることが第一で、そこは企業だから仕方ないというよりも「当たり前の条件だと考える」みたいな感じのことを、淡々とではあれどはっきりとおっしゃっていて、
 対する後藤さんは、ああいう本作りの人なので、事情のあれこれ以前に、とにかくかっこいい本が作りたいんだ!と。文字とか版のかすれもOKだし(その点、今はデジタルでちょっと残念な感じだとか・・・フィルムとかおもしろいですもんね。製版ってこういうことか!って)、リスクウエルカムで思いついたことは全部やりたい、丁合いごとに違う紙で扉を入れるとかもバンバンやりたいし、重版用に印刷会社に残っている大量の特殊紙の見本を足りなければぶち込んだっていいし、それだったらカバーや見返しが初版と色が違って逆におもしろいんじゃない?と思うし(・・・て。これやれるものだったら見てみたい気はするけど・・・それだけで一つの<表現>になってしまって、本自体の主張が鈍りそうな感じがする・・・)、大きな機械にかからなくても小部数だったらカラーコピーだっていい、自由でありたいんだとにかく、みたいな。 そんな感じのことをおっしゃっていたのが印象的でした(言い方はあくまでソフトですが)。
 さすがに両者ともかっこいいですね。 両方の「仕事」がすごーーーくわかる。やっていること、してきたことと、あまりにもぴったりです。それでいてお互いを尊敬しあっているので「あんたはそういうけど!」とか全くないし。かっこいい年長者を見るのって幸せだなーーー見るだけでもさ。と思いました。
 ただ、個人的な意見としては、私は上にも書いたように松田さん寄りで、本についてなら用紙は全く普通で良いと思います。ヴァンヌーボとかマーメイドとかアラベールとかNTラシャとかOKエコプラスのホワイトで全然いいんじゃないですかーー(格子が入っている紙は好みだけど・・・装丁画が死ぬんだったらそんなのまるでいらないし。ルミネッセンスも最初白すぎる!!と思ったけど、出来上がりを見ると色の乗りがなかなかなのでよいと思う)。加工だって、ニス引いてあれば充分でしょ、って感じ。アートブックでもない限り紙自体でアレコレってけっこう関係ないような感じがするんだよなーーー・・・て。大人になったのか諦めなのか慣れなのかわかりませんが、今の私はそんな感じ・・・
 (あ、ちなみにタイトルは竹尾の人のセリフからです。すごく高いのか安いのしか売れないんだそうですよ。紙も。わかるなーー。一番好きなものを選ぶととんでもなく高くて、やむを得ずコストダウンを図るとなるととたんになんでもいいから安いので!!ってなるのよねーー・・・)

 ショーそのもののことは、あまりの混雑(入場の待ち時間が三十分・・・)で、行列も人ごみも苦手な私は朦朧としておりましたので冷静な判断は下せませんが(記憶も曖昧・・・)、やっぱり・・・スパイラルのほうがいいんじゃないのーーと、そこだけははっきり。はい。狭いと思いますよ単純にあれでは。
 でも、ガラス越しに丸ビルから見た東京駅はたいそう素敵だったので、たまには丸の内とか来るのもいいわねーと思いました(誰・・・)。あと、コンランショップとかも、年中チェックする必要はまるでない暮らしですが、たまに見るとすごく楽しいんだなーーーと。体がきれいになる気がします。体っていうか、脳? なんだろ、とにかくフレッシュになれていいわーーー。
 それから、丸ビルのスターバックスの店員が最高に親切で驚きでした。あれはなに?? あの人だけが?? あの店の方針??

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
日本のハードカバーの装丁って素敵よね。いろんな部分に使う紙の質や色の組み合わせが着物とか和菓子のイメージ。そういうの選ぶ仕事ってやりがいありそうだね。イギリスのハードカバーの本にはそういう芸術品みたいなのって無いです。味気ないな〜。その割に日本に比べて本全般の値段は妙〜に高いけど。
弥生
2007/04/16 21:41
あ、でもそういう芸術品のような本の市場が無い訳じゃなくて。本じゃないけど企業の株主に配る業績のレポートなんかもの凄くお金かけていて珍しい紙を使ってデザインも凝り凝りなのがあります。そして紙の会社の宣伝のパンフレットも当然ながら紙の美しさを限界まで売り込む素晴らしいのがあるよ。
弥生
2007/04/16 21:44
 うーむ。私の仕事はそんな素敵に自由な感じではなく、アーティスティックとは正反対の部分もありありですが・・・ま、必要な過程でやってるんだし、嫌いとか向いてないとかでは全然ないけどねーー。それと並行して、美しい凝りまくりの上製本も大好きーー手元にあるだけでうっとりするようなきれいな紙もすきーーーなのでした。私は。

 大作家の書籍でもシンプルな仕様が多い昨今、日本でも古本でないと「造形の妙!」みたいなのはない感じもあるけど・・・他の国に比べたら凝ってるよね。そこは大変な美点だとトークショーでお二方も言っておられました(この国にはデザイナーだけでなく、印刷にも製本にもまだ「職人」がいるということ)。
 それから、一流企業のパンフとか印刷業とか紙屋さんのパンフはほんとキレイだよねー!!まー命かかってるからねー。
 紙屋さんのはその紙の特性を分かった上で印刷してるから最強だよー(ダメ出しとかもちょうしそう)。このショーのインビテーションカードも素晴らしかったです。
まき。
2007/04/17 16:01
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