平坦に思えるほど緩い坂道を。

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zoom RSS その帽子、かわいいわ。

<<   作成日時 : 2016/02/25 16:15   >>

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 2/20(土)
 うっとりしたくて『キャロル』を観に、わけてもうっとりできそうなみゆき座へ。
 あいにくのお天気でしたが、マア美しかった!「美」は顔かたちもさしますが(くやしいかな前提よネ)立ち居振る舞いと覚悟だな。と感じ入ったしだいです。
 愛娘へのクリスマスプレゼントを選ぶため(50年代のデパートメントストア…!伝票や配送依頼などすべて店員の手書き。電話も取り次ぎよ〜)現れたキャロルに、目を奪われる売り子テレーズ。一見して麗しく裕福な奥様の彼女ですが、どことなく所在なさげで寂しそう。
 それをいったらテレーズもで、恋人に熱烈に求婚され、デパートの仕事は退屈だけれど写真を撮る趣味をもち、友だちも多く、はっきりした不服はない。のに、なんとなく充足しない毎日を送っているのです。
 キャロルが皮の手袋を忘れたことにテレーズが気づき、送った縁から2人は親しくなる。お礼のランチに誘われ、うちに招かれ、舞い上がるテレーズ。
 「彼」とデートをくりかえし、同棲やヨーロッパ行きを促されてもあいまいな返事と表情なのに、キャロルには「ぜひ!」と即答。この「ぜひ!」がかわいいんだよナ〜。このとき勝負は決まってたといえます。
 テレーズはできたら写真を仕事にと考え、ニューヨークタイムズに勤める知り合いの薦めでポートフォリオを作るけれど、その仲介男子から(釣りとかじゃなくて実際紹介もしてくれるんだが)性的な対象としてみられてるのに気づき異様にへこんだり。
 自分は平凡な女の子、働ける場所があってBFがいて、なおかつ「そこそこ魅力的」ならめっけもんでしょ〜とか思えない。わかる!わかります!女性のほとんどがこの「感じ」を味わってんじゃねえの〜2010年代も。
 そんな彼女が本当に求めていたものがなにか。が、キャロルとの仲が深まるうちみえてくるのがすばらしい。
 「本気の恋愛が成就するから」ではない。同性愛ゆえ自身認めるまでにも時間がかかるし、キャロルには離婚寸前とはいえ夫も娘もいる。障害だらけ。でも。一緒にいたい、一線をこえたい、という欲望がテレーズに芽生え、その後やむなく距離をおき、その間自分を見つめなおし「強く」なってからが物語の芯。
 テレーズ自身いってたように、彼女は元来願望を飲み込んでしまうほう。だからBFが勝手に盛り上がって結婚結婚いうのをとめられない。デパートでお局に従ってただおとなしく働いている。
 でも。自分のせいでキャロルが世界一大事に思う娘と引き離され、取り乱すさまをみて、自身の生活をまず築こうと考える。「まっとう」に写真を売り込み、タイムズで働くようになる。
 ときを同じくして、キャロルもはっきり結論を出す。そして…。
 年代や同性愛以外の部分では、シンプルに強い、王道の「恋愛を経て成長する」ストーリーです。
 あのまま裏表ない(ぶっちゃけバカっぽい)BFと結婚してデパートで働き、定時と同時に彼とご飯食べにいって…てやっててもテレーズは不幸せじゃなかったでしょうが、毅然とした美しさをもつ女性にはなれなかった。(ラスト近く、彼女はキャロルも驚嘆するほど「きれいになって」いる)
 テレーズとキャロル、それぞれ孤独に悩み苦しんで「決断」を下す。その「成熟する過程」が見所なんです。や、当然キャロルの圧巻の美しさも、だ、が!
 わたし〜一応元オリーブ少女だから〜ヘプバーンぽいテレーズにもっとぽっわ〜んとなるかと予想してたんですケド〜もう完全にキャロルだったかんねエ〜。
 毛皮も、ボブの巻き髪も、爪も香水もランジェリーもスカーフも全部素敵!喫煙も彼女なら許す!神に選ばれたひとの、器、所作!
 そもそも大人顔とか大柄まったく好みじゃないのになんでだろ〜??? と不思議でしたが、年を重ねて〜イノセントばかり武器にすんのもキモいじゃ〜ん?? ってなってきたのかも。猫も杓子も「透明感」てどんな呪縛だよって感じだしサ〜昨今。
 『ヴィオレット』もだったけれど、女性2人が抜群に美しく賢いため、周りの男性がそろってチョロくみえてしまう効果がここでもいかんなく発揮され、
 なかでもキャロルの夫の浅はかさ、プライドだけ高く脳マッチョな行動には吐き気すら覚えました。(嫌われるよ〜そりゃアンタ!愛する女を脅してつなぎとめようとか〜人を使ってゆするとか〜みっともねえ〜軽蔑〜)
 とにかく。ケイト様が来日時におっしゃってたとおり「LOVE is LOVE」!カヒミが歌ったように「Love is like camera」な作品でした。

 2/21(日)
 Tさんとのおしゃべり会〜。赤坂のフルフルにて。あの!美しすぎる断面が有名なフルーツサンドを。
 もっと「純喫茶!」かと思ってたんですけど、ちょうどい〜い具合の喫茶店で。白く清潔、若春子にバイトしてほしい!みたいな。でも現実にはわりと大人たちが働いてたのがさらによくてっつう。
 食べたものいちいちおいしくて(私→フルーツサンドとホットケーキとコーヒー。Tさんフルーツパフェとコーヒー)見た目もかわいいだなんて!(赤って牛じゃなくてもコーフンするよネ〜)
 話した内容はいつもどおり…だったでしょうか。死に物狂いには生きられないわたしたち。などなど(そういえば訊けなかったけど、編み物関係どうなったんだろ〜。前回やる発言してたような記憶なんだが)
 のち。千代田線で霞ヶ関に移動し、日比谷図書館の『祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ』に。
 スーパー血沸き肉踊るやつ!!!ぜひ!みていただきた〜い!!!300円であんな覚醒できるってただごとではない。みんな大好き「コスパ最高」でっせ〜。
 祖父江さんの「細部にちょううるさいけど、高い紙をやたら使ったりしないところ」にあらためて尊敬しきり。
 装丁家といわれるひとのなかで、用紙自体きらきらしてるとか〜織が入ってるとか〜形押しのやつを選ぶのは概して新人さんなのです。竹尾の見本帖をみて「これすってき〜」ってすぐさま選んだ姿が目に浮かぶ。そりゃすてきな紙はすてきだもんね〜。
 でも。そんなすてきな用紙を初版数千部でコストコスト圧力かけられてる(どこもそうでしょ)書籍に使えるかっていったら使えません。
 紙にもどの業界とも通低する「闇」があり、代理店の力がやたら強く、用意できる紙とできない紙の差が大きい。製紙会社は高い紙の在庫を抱えたがらず必要に応じてしか作らない。
 値段面だけでなく、めったに流通しない紙は重版対応も難しい。ただでさえスピードの遅い「紙の本」でそれは…(要するに業者は「効率よくはけるものを買ってほしい」んですよね。洋服でもなんでもそうだけど)
 が。高価な用紙に頼らなくても個性は出せるしKUFUもできるのを、このたび祖父江さんは教えてくださった!
 (本文用紙のクリームキンマリとか勤務先では完全に流行遅れだけど、あらためて「いいな…」と思ったもん。マジック!)
 そのかわり高度な要求と引き換えに!!!ですが。
 もうねえ〜指示がいちいち狂気まじり!一冊のなかでパーレンひとつひとつ書体変えたり、違う倍率にしたり。上つきにしたり下つきにしたり、はらいを伸ばしたり。「一斉に抽出して変換」ができない文字組み…どんだけのひとを泣かせてきたんだろ…。
 くわえて、規格外すぎる造本!上製本の芯ボール(こんなん選べるって知らなかった…。だってボール紙だよ? 表紙で100%隠れる部分。仕様設計時とか束見本作成んとき選ばせたことないんですけど編集に)から指定し、表紙貼りの紙を見返しでおさえない、開きっぱなしのやつ作ったり!困るわ〜事故呼ぶわ〜どうやって取次を説得すれば〜。
 でもでも。それもこれもあのおなじみの「キュートな文字」で、こうやって〜歯送りこうすると〜計算上、判面こうなって〜OK!!(とか〜ダメ!!無理!!もけっこう多い)などと書かれたものを拝め、
 すこぶるアメージング!!!(関わらなきゃ)アート!!!
 会場を出るころには心からポカポカしてきました。おいしくてかわいいものを存分に食べ、狂おしいレベルに楽しい展示をみて、流れで帝国ホテルも探検でき!ああ春が近いな〜と思いましたよ。近いよ!
 (あと。この日Tさんが貸してくれたナオコーラの『かわいい夫』があまりにもよくって〜!!!回を新たになにか残したい気持ちでいっぱい!それが今の今のナウ!)

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