平坦に思えるほど緩い坂道を。

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<<   作成日時 : 2017/05/10 08:45   >>

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ゴールデンウイークといったら、シネマヴェーラのエルンスト・ルビッチ特集よね。今年のメモ。前半。

5/2(火)
『花嫁人形』
『牡蠣の王女』でおなじみ、手練れコメディエンヌ オッシがまたまた役名もそのままにチャーミングな演技をみせる。トーキーなのに佇まいがとても今っぽい彼女。
身体が華奢じゃなく、顔立ちも女々しくない。目力あり。やることなすことせせこましい世界への権利の主張を感じさせる優れたタレント。
今作では、紙細工? のセットがとくにかわいらしくて。ときおり背景が書割に、イラストの太陽や月がニヤリと笑ったり怒ったりするのだ。馬もかぶりもの丸出しのぬいぐるみ。
などとかくとコントっぽく感じるやもしれぬが、その点のみで笑わせよう目を引こうという狙いは皆無。洒落っ気の塩梅が憎いほど。
園児が作ったようなペーパーハウスから、ばあやと2人飛び出てくる男爵の甥っ子。切り貼りの森を抜け、付録みたいな馬車で影絵の夜を走り、お城まで。
挙句、あれこれを経て選ぶ結婚相手はお人形だ。手作り感溢れるなか、人形のボタンやネジだけは精巧なメカっぽかったり。細部にわたりやってくれてた。
『極楽特急』
たいへんに!素敵な映画であった。抜群。口笛。いずれもう一度みたい。これぞルビッチタッチ!
二大女優の、華麗とキュートの頂上決戦はみる側からも甲乙つけがたく、行ったり来たりの殿方のお気持ちお察しします…といったところ。
騙し騙され具合と絢爛豪華さは、80年前(!)の『お嬢さん』か。こんな美しくゴージャスに、しかも間違いなく「生きてる」「自主的な」いち人間として記録してくれるのだから、彼の映画に出る女優はさぞや楽しかったろう。
スリの応酬で始まり終わるのもいかしてるし、ドレスもヘアもジュエリーもレッドカーペットより断然ルビッチやヒッチコックのそれにハートを盗まれちゃう系にゃ眼福につぐ眼福。
ああ〜ベッドに豪勢な朝食テーブルごと持ってこられてネグリジェのまま気だるく食べたい〜宝石の散りばめられた小さなクラッチひとつでバルコニー席からオペラ観劇したい〜引きずる裾で螺旋階段降りたい〜。
ともあれ、最後の逃亡シーンな。くすくす。意外と続くでしょこの2人。

5/3(水)
徒歩でヴェーラまで。
前日は白金台あたりに用があってバス通だったけれど、都合両日好天での歩きっぱなし。今年も日焼けし放題のシーズン来たる。日傘も日焼け止めもなしで。いかんいかん。
ライトをバシーッと当てられたうえ、ディビッド・ハミルトンばりの紗かけた女優にうっとりする当人の美容意識がこの低さでは。矛盾甚だしい。本人も首を傾げながらの中年道。
さておき。1本目は『小間使』だった。
ヒロインのキャラがとにかく愛らしい。排水管のトラブルを放ってない修理工の姪っ子(じゃじゃ馬)が、奉公に出されたその先で…ってお話なのだけれど、
おとなしくしてりゃ問題なしのお披露目会でもキッチンの詰まりを発見してしまい、腕まくりで工具をつかみ、恋人と母上そろっておかんむり。
クラシアンいらず!いい娘さんじゃないの〜と私などは考えてしまうが、あちらの時代では違うもよう。だいたい下女の扱いが。本家本元のメイドは雇い主夫妻とは口もきけないのだ。厳しい。
にもかかわらず!の、転じて転じてハッピーエンド。見ている、見抜いているひとはすぐそこに存在するのだ。のびのびやっちゃいなさいな〜というメッセージを勝手に受けとって〆。
『生きるべきか死ぬべきか』
この日の真打ち。二本立てだけど。
祝日のせいか初回から立ち見の出る大盛況。「代表作」は先手必勝ネ!と自分を褒めたい良席を確保でき、各方面から堪能したしだい。
センスいい〜うまいことできてる〜のが最大の褒めポイントだが、コメディとして、ラブストーリーとして極上。に加えて、ナチス(的なもの含め)への皮肉の痛烈さと洗練された表現に拍手であった。
タイトルはむろん知られた「ハムレット」の一節。これが全編伏線として張り巡らされ、ときに逢い引きの合言葉に、ときに敵陣に嘘がばれ急転直下となるきっかけに、ときにニヤリとさせるストーリー展開への牽引に、そしてラストの見事なオチに回収されるのだ。
キャロル・ロンバードが若い将校を夢中にさせるのもさもありなんな美しさをみせつけつつ(のち親衛隊らもバンバン陥落させてゆく)かつ、折々「絶妙な演技」で危機を切り抜ける。女優〜。
(彼女はこの映画の公開1週間後に事故で亡くなったそうで。未来人からするとさらに感慨深し)
旦那もうまい。大袈裟な演技が鼻につく「大根役者」役なのだけれど、素直で妻に首ったけなだけ。
俳優としても夫としても微妙なのを自覚してるため、興に乗ると「蛇足」をついつい…。憎めない。とはいえそこはみんなの命がかかってるんだから、よろしく頼むよ〜みたいな。
なにはともあれ。権力をかさに手下を思いつきで連れ回し、安易に民間人を殺め、自分の体面のみ後生大事に、なんて輩はフィクションだけで勘弁してほしい。
が。ほぼ!作りものが現実からインスパイアされちょるわけで。このたぐいのは。昔の映画っしょとかいってらんないぜ。

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