そこから空見た。

画像

暴風雨の土曜、快晴の日曜、となった先週末。
土曜日はとある見学を予定していたのだが、仕事でもないのにこんな悪天候のなか外出せにゃならんいわれもなかろうってんで延期。
うちでだらだらしたり、図書館で手紙かいたり(手紙かきには図書館。読み返すためその後喫茶店へ。 で、投函。が最適解)のんびりすごした。

翌日曜日は。電話で狙ってたお洋服の在庫を調べてもらうも、ショック! もうないといわれてしまう(売れるやつは世界中ではけ、残るやつは布切れ同然で投売り化が世の常)。
大阪からとりよせますか → う~ん…で、とたんにテンションだだ下がり。
晴れたし、完全にお店いくモードだったんだけど。着る服まで決めて(服を買いにいく服問題)。
無駄足にならなかっただけマシとも考えられるが、つまづくととたんに縁がないのかも…になる弱気気質にくわえ、
なにやら働いてる間に2000万円ためなきゃいけないらしいシビアな世界で(正直「だったら死ぬからいいです」だけども。かもめはかもめ、無理は無理。常に老後を案じて、健康な体のうちに享受できる楽しみをちまちま我慢しなきゃいられないような場所に長居は無用)、
収入の少な~い女が毎月衣服にかなりの額を投入する無鉄砲さも理解しておる。
やめとけやってお告げかしら。って、悲しみにくれかけた矢先、
あ。こないだ読んだナオコーラの本に、武田百合子さんのお墓が近所にあるみたいなことが書かれてたじゃない? と思い出し。
Waltzのへんだったはず。余裕で歩けるじゃない。てんで出かけることに決定。
外は強烈な日差し。けれども、界隈は急な坂が多く、途切れるころ思いがけない風景が迎えてくれるなどお散歩の楽しい地域。点在する素敵なおうちなどをみていたら、すんなり案内図前までたどりついた。
驚いたのは、このとき近辺に女子中学生がとても多かったこと。
訪ねた「長泉院」は現代彫刻美術館を併設、屋内外にわたってかなりしゃれた展開をしており、生徒ちゃんたちはそれらをスケッチしているようだった。
鈴を転がすような笑い声や、ぱりっとした制服姿に心洗われ、モダンな雰囲気のお寺へと足を向ける。
場所柄広大とはいえないが、それでもすぐ目指すお墓をみつけるのは難しそう。
なのであたりをみわたして、小坊主的なひと(短パンで草むしりなどに勤しまれる30代前半の男性)をつかまえ、
「武田百合子さんのお墓参りにきたのですが」と告げると、さっと「ありがとうございます。ご案内いたします」と快く対応してくれた。
一段上がった一区画。ひとつひとつ大きめ設計の墓地郡の中央に鎮座する「武田」の墓石。間違いない。
泰淳さんのお父上(養子に入った先の)がここの住職だったそうだからある程度理解できるが、
「こちらが武田泰淳先生と百合子さんのお墓でございます」てのに「出たね…。有名人の嫁問題。奥さんがどんなに優秀で著名でも夫人括り」と、じゃっかんモヤる私。
だったけれども。落ち着け落ち着け。墓前では心穏やかにご挨拶をし、せっかくならと隣接の建物に寄るってえと、
いかす! 当該美術館の企画展が非常にかっこよかったのだ。とくにケモノ。ケモノの彫像が多くてしびれた。等身大の豹とかトラとか。
建物自体、螺旋階段で3階まで上って外を見下ろすと庭に配置された彫刻がいい具合に目に入るなど「わ~得した~」のてんこ盛り。お墓参りは福を呼ぶわね…(違うけど)。
満足し涼んでいたら、美しい係員のかたがあらわれ「あの、お名前かかれましたか?」とおっしゃる。
そういや入口に芳名帳があったっけ。私はわりとかいちゃうほうなので(地番などは省略しますけど)「ええ」と答えると「失礼ですが、お仕事、ファッション関係でいらっしゃいます?」と続けられて。
「20年以上前とてもお世話になったスタイリストさんにそっくりで。時間的に別のかたに決まってるんですけど、お嬢さんかしらって…。すみません藪から棒に」。
ああね~そういうのはなれっこだから~。
「私、やたら<ファッション関係のひと>に思われがちで。年に何度も青山とか六本木で<おつかれさまです><ごぶさたしてます>って声をかけられるんですよ。そのかたにも似てるんだと思います、たぶん」と毒にも薬にもならないリアクションをしたしだい。ゆうて憮然とするよりいいっしょ。事実だし。
大昔、六本木交差点に夜な夜な出没するキョンキョン伝説…(彼女が「FADE OUT」とかでぶいぶいいわせていたころ、そっくりさんが頻繁に現れ「あれ? キョンキョン??」ってざわつくひとらを横目にあいまいな笑顔だけ残して去る)みたいなのがあってな。
もちろん別人で、ご本人はそのころ寝る間も惜しんでバリバリ働いてたわけだけども、その億分の一の地味な話よ。
なににしろ、自分、ファッション関係のお仕事はしたことないス。

Il y a un livre sur la table.

画像

いま出てるポパイの映画特集で(現ポパイいいよネ~。春樹のTシャツコラムだけで1億点だし「シティーボーイ」は「シティーガール」にいれかえ可能、その「シティーガール」ときたらあまりにも素敵な女の子だ)
そのなかに「オシャレ映画、みるべきスか? 先輩!」って感じでオシャレ業のかたに尋ねるコンテンツがあり。
ざっとチェックしたところ、ま~みてたみてた、みてんだよ自分。「みたい!」「よかった!」って反応したやつが軒並みオシャレ映画として扱われている(『ダージリン急行』とか)。
そうか~盛るとか謙遜とか自虐に気を回す余力のない年齢に至ったいま、おとなしく認めるしかない。私はオシャレ映画好きなのだ。
てんで。この週末もオシャレ映画をみにいってきたわけ(開き直り)。

6/8(土)
午前通院、午後はメゾンエルメスのル・ステュディオへ。
『恋する男』。ちなみに今年のフィルム選び、テーマは「夢を追いかけて」ですってよ…!(耳イテー)
チャーミングな作品だった。ムッシュ・ユロ的な。オタクっぽ~い30前後のお金持ちの一人息子が、親からやいのやいのいわれ「結婚しなきゃあかんのか!」と一念発起し町へ出るも、
若くてかわいらしいお嬢さんがたはなるほどいくらもいるのだが、惨敗に次ぐ惨敗。
その「うまくいかなさ」(交渉能力の欠如だったりタイミングだったりが原因なんだけど)に、いちいちタチよろしくキュートでハイセンスなオチがつくのだ。
中盤から主人公が夢中になるスターが登場し、彼女のポスターを部屋中貼りまくるシーンなんてモロ。そんな映画をきらいなはずがない。
ネタバレ失敬だが、彼の家に最初からホームステイなのかな? ご厄介になってる(まったくフランス語を理解できない)ドイツ系女子がいて(言葉を知らないからなおさら)ひまにあかせてピアノひいたりする姿がまたツボで(ヘアはフランスギャルみたいな厚いボブ!)。
娘さんが少しずつ話せるようになるのと同時期に息子はアイドルに大失恋するのだが、
イコール世界の終わりじゃなく始まり~っていう。「幻想だけで突っ走って…バカだったわ俺」みたいなね。ふられてBANZAI(昭和歌謡)型。
そうこうするうち居候ガールとの別れの時間が近づき。ラスト、彼女の里帰りんとこで、
やはり!「キャスターなしは非現実的ってわかってるけど、箱型トランクすってき~☆」つう何十回目だかわからんコーフンに沸く私だった。頭にスカーフとな。
ほぼすっぴんでしゃれっ気のない女の子が結局誰より魅力的、てのもよかった。
余談だけれど(100%)エルメスのブレスレット、レザーのやつ。誰かくれないかしら~この夏つけたいんですけど~(いってろ)。

6/9(日)
『メモリーズ・オブ・サマー』をみにガーデンシネマへ。
ユナイテッドになって以来足が遠のきがちだったけれど、また往年っぽい(私にとってだけれども)タイトルが続いてる感。うれしい。
なんちゅうてもあれよ、予告編がたった11分! ってところ。
きいてるかTOHO! 1900円になるわ、30分近く予告やるわ、くだらねえアニメキャラと棒立ちのシンデレラガールみせるわ、お前んとこなにやっとんねんッ(半分はくそみたいな映画だし~)
ええ、そうです。これくらいが本編への助走として適量なんじゃないかしらって(突然礼儀正しく)。
その名のとおり「ひと夏の思い出」(ビター)モノで、ホラーとかミステリーという前評判に比してさほどはらはらどきどきはしなかったのだけれども、
全員の気持ちがわかりなんともいえない心境に。
ママの行動も感情の起伏も無理ないし(30代半ばとかでしょ。まだまだちゃらちゃらしたいわ)だからって息子がそれを看過できるはずなく、少女の衝動も、パパの悲しみも、ひとんち押しかけて泣き出す主婦も、誰ひとり悪くない。切ない。
あと、特筆すべきは映像か。「田舎の夏の目を見張る美しさ」。それを堪能できちゃう。十二分に。
地方に親戚もいなかったし(一番遠くて埼玉)こういう夏、憧れちゃうよなア~なんていまならしれっといえるが、
実際子ども時代いかされる羽目になってたら、いやでいやでたまらなかったろう。アタシ~川で泳ぎたくもないし~遠くまで自転車ででかけるとか全然興味ないし~。
そうした方面から考えても、映画ってのはつくづくよきものなり。いくつになったって、涼しいところで気の向くまま青空と日差しと短パン姿の少年少女をみられるのだから。
(写真はガーデンプレイスに向かう道ばたに咲いていた紫陽花。風流やろ~)

アイスクリーム溶ける前に。

画像

5/31(金)
ファイナルスパンクハッピーをみに、代官山UNITへ。
残業過多で振替とりやがれといわれてたのを幸いに(なんとか改革の余波)会社を休み、お昼は平日限定営業のイタリアンでランチしちゃったり。
なもんで。物販開始の18時前に現場へ到着でき、無事Tシャツとチェキ券をゲット(チェキ会なんて当然これまで参加したことなかったが、OD熱MAXのいまいかないでどうする~てのと、 仕切りがたいへんすぎて次はない可能性大。の2点から是が非でもと)。
ゆうてぎりぎり。うかうかしてたら「わざわざきたのに撃沈」だった。迅速な対応が大事よネなにごとも。
のち、恵比寿の喫茶店でしばしぼんやりすごし、開場と同時に入場。
わりといい番号だったがゆえ、するっと2列目へ。OD側を希望するも前が男性…なのでBOSSサイドの女子の後ろに陣取って。ほぼ最前&横の男子も踊り狂う系のため環境にも恵まれ。
とにかく、楽しかった! 楽しかったです!
都合、ODのルック全制覇。みてよし、きいてよし、踊ってよし。三拍子そろった最高のユニットと思う。
楽しいってさ、簡単にかいたけれど、いまや地上の宝でしょ?
爆笑の太田さんもラジオでいってたが、他者とつながりをもたない人間が罪を犯すみたいな決めつけ。そうじゃねえだろって。喜びをみつけることが孤独の身では不可能なんて、お門違いもいいところだ。
ひとりで生き、家族も友人もいなくても、充足し、他人に危害を加えない人間などいくらでもいる。
とにかく「自分で」「ひとりで」「あがかないと」ダメなんだって。太田さんよくいった! 「あがく」まさにそれしかないんだもの。
誰かの薦めとか、アレやると幸せになれるみたいな情報に乗っかってくんじゃなくて、
音楽とか、本とか映画とか絵画とか舞台でもなんでも「自力で」もぐりこんでって、必死で探す、その先にだけあるかもしれないなにか。
それをみつけられたら。心が動かされたら。深く知りたくて、わかってゆく楽しみで、直接傷つけられてもないひとを憎んだり殺めたりしなくない?? んなヒマなくない?? って熱くなるには流れがあって。
夜電波のアーカイブをいまだきいてるキモいリスナーとしてはですね、
「これから確実にダメになっていくだろう日本で、生き延び、流れに抗うため、みなさん音楽をきいてください。ききつづけてください。やめないでください。楽しんでください」っていっておられたのが本当~に響くわけ。ファイナルスパンクハッピーにふれてると。
あらゆる芸術のうち、私は音楽に「特別」救われてきた人間ではないが、それでもその力で遠い場所へつれていかれ、美しいなにかを垣間みせてもらった記憶は数知れず、
音楽とはそういうものだと。絶えさせてはならないと。ラジオが終わってしまったあとも(こちとらまだロスも癒えないへなちょこなのに)、
受難や激動をへて(=あがき)成熟とすこやかさを手に入れ、なお上を目指し、後進を育て、結実を体現する姿をみるにつけ、単純に胸が熱くなってしまうのだ。
「幸福追求はあくまで自力による」の実践ぶりに。手に入れた「本物の笑顔とユーモアと質の高い作品」に。
技術と才能をもった、互いに尊重しあう(不思議な新しさ。色っぽいけど健全で、ピグマリオンじゃない)男女が、そこにいる誰よりもうれしそうにパフォーマンスするさまは、なにしろ美しくまばゆくて。
みたいな話はこのへんでやめとくとしても、
以下個人のメモですが、BOSS(厳密には一部違うけど)がらみの「なにか」へいく際はあやかって(?)「伊勢丹で買ったお洋服を着る」と決めており、この日はタロウホリウチを(ちなみに、青山のときはグッチ。六本木のイベントはケンゾー)。
セットリストすべて素敵かつ魅力にあふれていたが、最後のけものの「tO→Kio」をアレンジしたやつ!あれは本気で やばかった!!(原曲のドライな響きも大好き)
アレキサンダー・マックイーン姿の2人の神々しさと麗しさと曲の優美さと残酷さに、うっとりの極地へ。うっとり。最近してますか? うっとり。 できなくね? なかなか!
それから、チェキの件。
お2人ともたいそう親切で(前の子なんか「タトゥーもっと写るようにしてください!」とか演出までつけてたけれど快諾とか)、
自身、みせびらかした友だちみんなに「いい写真!!」てえ反応もらえるブツが駒沢通りあたりで浮きがってきて、も~並んだ甲斐があった。
つか「最高でした!楽しかった~」と告げ「ふふふ、どうもありがとうございました!!」とODから至近で、一瞬とはいえ!世界でただひとり! 笑顔を向けられるシーンとか! 2000円なんざとんだはした金だぜバカヤロー。
音楽とおしゃれが好きでよかった。その最高峰をナマでみられて幸せな夜だった。